リードタイムをわかりやすく解説!初心者でもわかる基礎知識と短縮のコツ

EC事業者

最近、レビューで“届くのが遅い”って言われることが増えてきて悩んでいるんです…。

助ネコ事業部

なるほど…それは“リードタイム”が長くなっているせいかもしれませんね。

ECの世界では、スピードが満足度やリピート率を大きく左右する要素になっています。

その中でも重要なのが「リードタイム」。

これは「注文してから届くまで」だけではなく、「発注してから在庫が入るまで」「入荷してから出荷されるまで」など、さまざまな業務の間に存在する“時間のギャップ”を指します。

助ネコ事業部

本記事では、「そもそもリードタイムとは何か?」という基本から、EC運営におけるリードタイムの種類や、長いことで起きやすい問題、そしてリードタイムを短縮するための具体的な改善ポイントまで、分かりやすくご紹介していきます。

「最近、納期がズレやすい」「出荷が追いつかない」「発注のタイミングがいつもバラバラ」――そんなお悩みがある方は、ぜひ参考にしてみてください。

ブログ監修者

助ネコ事業部(ECサポート担当)

助ネコ事業部(ECサポート担当)

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リードタイムとは?

「リードタイム(lead time)」とは、ある工程の「開始」から「完了」までにかかる時間を指す言葉です。

直訳すれば「先行時間」「準備期間」などとも訳され、モノや情報が動く“時間差”を見える化した指標ともいえます。

なぜリードタイムが重要なのか?

EC運営において、リードタイムはお客様に商品が届くまでのスピードに直結するため、顧客満足度やリピート率にも大きな影響を与えます。

たとえば、以下のような業務にもリードタイムが存在しています:

  • 商品を仕入先に発注してから入荷するまでの時間
  • 注文を受けてから倉庫でピッキング・梱包して出荷するまでの時間
  • 出荷後、配送業者がお客様に届けるまでの時間

それぞれの工程にリードタイムがあり、全体として“お客様に届くまでの総所要時間”を構成しているのです。

リードタイムの長短は、どこに影響する?

  • リードタイムが長いと → 欠品や発送遅延、キャンセルのリスクが高まる
  • リードタイムが短いと → 納期が早まり、顧客満足度が上がる

たとえば、「今すぐ欲しい」と思って購入した商品が、注文から5日経っても発送されなければ、ユーザーの満足度は確実に下がります。

特に最近のEC業界では、楽天の「最強配送」やAmazonの「お急ぎ便」等に始まる、「注文翌日には届く」体験が当たり前になりつつあり、スピード対応が競争力そのものになっています。

業種によって意味合いが変わることも

「リードタイム」という言葉は製造業でもよく使われており、製品の設計〜部品調達〜製造〜出荷までの全体期間を指すこともあります。

ECの場合は、より物流寄りで、受注・仕入・在庫・出荷・配送の流れの中で、それぞれのタイムラグをどう管理するかが焦点になります。

リードタイムの種類

ECにおけるリードタイムは、業務の流れの中にいくつも存在しています。

どれも“商品が届くまで”に関わる重要な時間ですが、それぞれ役割や改善ポイントが異なります。

ここでは、代表的なリードタイムの種類を4つご紹介します。

1. 発注リードタイム(仕入リードタイム)

仕入先に商品を発注してから、自社の倉庫に商品が届くまでの時間です。

調達にかかる日数や、仕入先の対応スピード、在庫状況によって左右されます。

例:
「月曜日に発注 → 金曜日に入荷」なら、発注リードタイムは5日間。

遅くなる原因:

  • 発注ミスや発注漏れ
  • 仕入先の在庫切れ
  • 複数の仕入先から分散発注している場合の納期ズレ

2. 入荷〜出荷リードタイム

商品が倉庫に入荷してから、販売可能な状態になるまでの時間です。

検品・棚入れ・在庫システムへの反映などがこのリードタイムに含まれます。

例:
「午前中に納品 → 翌日に棚入れ&システム登録 → 翌々日に出荷対応可」=リードタイム2日

遅くなる原因:

  • 入荷量が多く検品・登録に時間がかかる
  • 人手不足やシステム入力の遅れ
  • 在庫システムと販売システムが連動していない

3. 受注〜出荷リードタイム

お客様から注文が入ってから、実際に商品を出荷するまでの時間です。

EC事業者がコントロールしやすい領域であり、短縮できれば顧客満足度に直結します。

例:
「12時までの注文は当日出荷」「注文後2営業日以内に出荷」などの運用

遅くなる原因:

  • ピッキングや梱包の人手不足
  • 送り状発行や伝票処理の手作業
  • 受注〜倉庫への連携が遅れている

4. 出荷〜配達リードタイム(配送リードタイム)

倉庫から出荷してから、お客様に商品が届くまでの時間です。

配送手段や地域によって所要日数が異なります。

例:
「東京都から発送 → 関東は翌日、北海道・九州は2日後に到着」

遅くなる原因:

  • 天候・交通事情による遅延
  • 配送会社の荷物集中(セール期間など)
  • 配送方法の選択ミス(例:通常便では間に合わない)

これらのリードタイムは個別に見るだけでなく、全体としての流れで把握することが大切です。

1つの工程で遅れが出れば、次の工程にも影響し、結果的に「お客様に届くまで」が長引いてしまいます。

リードタイムが長いと起きる課題

リードタイムが長くなることで、ただ「届くのが遅い」というだけでなく、業務全体やお客様の満足度にさまざまな悪影響が出てきます。

ここでは、EC運営で実際に起こりやすい課題を紹介します。

1. 欠品・売り逃しのリスクが増える

発注から入荷までに時間がかかると、在庫が切れてしまった際に次の納品まで販売できない期間が生まれます

せっかく売れるタイミングでも「在庫切れで販売できない」=売上の機会損失につながります。

例:人気商品が予想より早く売り切れ → 次の入荷は5日後 → その間に検索された分の注文を全て逃す

2. 顧客満足度の低下

リードタイムが長いと、発送が遅れる・届くのが遅い・予定より納期がずれるといった現象が起きやすくなります。

その結果、レビューの低下やリピート率の減少など、ブランドへの信頼低下につながる可能性もあります。

例:「注文から5日経っても発送されない」という不満レビューが増える → 新規顧客の購入を妨げる

3. クレーム・キャンセルの増加

「発送が遅い」「納期の連絡がない」などの理由で、問い合わせやキャンセルが増えるのもよくある問題です。

これに対する顧客対応も増え、現場の負担がさらに増す悪循環になりがちです。

例:「急ぎで使いたかったのに届かないのでキャンセルします」といったケースが続出

4. 過剰在庫・在庫ロスが起きやすくなる

リードタイムが長いと、「早めに発注しておこう」「多めに仕入れておこう」という判断になりがちです。

その結果、在庫が過剰になり、保管コストがかかったり、売れ残って在庫ロスが出たりすることも。

5. 業務の負荷が偏りやすくなる

出荷タイミングが集中してしまったり、遅延を取り戻そうとして突発的に現場が忙しくなるなど、業務にムラが出やすくなります。

このムラは人的ミスや業務負荷の偏り、スタッフの疲弊にもつながり、結果としてさらにリードタイムが長引く…という悪循環に。

課題の本質:リードタイムの「見える化」がされていない

これらの問題が起こる背景には、「どこでどれだけ時間がかかっているかが把握できていない」=リードタイムの見える化不足という共通点があります。

まずは、自社の業務の中にあるリードタイムを洗い出し、どこに遅れやムダがあるのかを把握することが、改善の第一歩です。

リードタイムを短縮するメリット

リードタイムを短縮すると、「出荷が早くなる」だけではありません。

業務全体のスピード・精度・柔軟性が高まり、結果として売上や顧客満足度にも好影響を与えます。

ここでは、リードタイム短縮によって得られる主なメリットをご紹介します。

1. 顧客満足度の向上 → レビュー・リピート率UP

注文から出荷までのスピードが上がることで、「すぐ届いた」「対応が早かった」というポジティブな体験をお客様に提供できます。

配送スピードは、今や「価格」や「商品力」と並ぶ競争要因の一つです。

実際に、当日出荷・翌日到着を実現しているショップは、レビューの評価が高く、リピーターもつきやすい傾向にあります。

2. 欠品・過剰在庫を防げる → 適正在庫の実現

発注〜入荷のリードタイムを短縮すれば、「必要なときに、必要な分だけ仕入れる」という運用がしやすくなります。

結果として、売り逃し(欠品)も、余剰在庫(在庫ロス)も減らすことが可能です。

短納期の仕入体制を整えることで、仕入回数を増やしつつ、在庫リスクを抑えることができます。

3. 業務の平準化 → 現場のミスや負荷が軽減

リードタイムが短い=工程ごとの処理が早く済むことで、業務が集中せず、毎日安定して回せるようになります。

この“波の少ない業務体制”は、スタッフの負担軽減やミス防止にもつながります。

特に倉庫現場では、出荷作業が一部の日に集中すると人的ミスが増えやすく、業務全体が不安定になります。

4. 経営判断がしやすくなる → 数字の見える化

各リードタイムを短く・正確に把握できるようになると、販売予測・在庫計画・人員配置などの判断もデータを基に行えるようになります。

例えば、「受注〜出荷の平均時間」を計測することで、ピーク時に人手が足りるか、どこにボトルネックがあるかが見えてきます。

5. 売上の最大化 → スピード対応で販売チャンスを逃さない

セール・キャンペーン・メディア露出など、需要が一気に高まる瞬間にスピード対応できると、販売機会をしっかり掴むことができます。

注文が殺到しても翌日出荷できる体制があれば、追加発注や即納対応で売上チャンスを逃しません。

リードタイム短縮は「攻め」の業務改善

リードタイムの短縮は、単なる効率化ではありません。

「今よりももっと売れる仕組み」を作るための、“攻め”の業務改善施策ともいえます。

リードタイム短縮の具体的な方法

リードタイムを短縮するには、「気合」や「スピードアップ」だけでは限界があります。

大切なのは、業務のどこに時間がかかっているのかを把握し、ボトルネックを少しずつ解消していくことです。

ここでは、EC業務で実践しやすいリードタイム短縮の方法を4つご紹介します。

1. 発注業務の自動化・ルール化

発注タイミングが属人的だと、対応が遅れ、入荷までの時間も伸びてしまいます。

在庫数や売れ行きに応じて自動的に発注データを作成するなど、発注業務の“仕組み化”がリードタイム短縮の第一歩です。

例:

  • 在庫が○個を下回ったら自動で発注リストを作成
  • 発注履歴からリピートタイミングを自動算出

2. 入荷〜在庫反映のスピード改善

商品が届いても、棚入れ・検品・在庫登録に時間がかかっていては販売開始が遅れます。

この工程を簡略化・標準化・システム化することで、入荷から販売までのリードタイムを短縮できます。

対策例:

  • 入荷時のバーコードスキャンで自動的に在庫反映
  • CSVやアプリで一括検品&登録

3. 受注処理・出荷作業の効率化

受注→ピッキング→梱包→送り状発行→出荷の流れがスムーズであれば、注文から出荷までの時間を大きく短縮できます。

ここはシステム連携や業務の分業化が非常に効果的です。

よくある工夫:

  • 受注情報を自動で送り状データに変換
  • ピッキングリストや出荷指示を一括発行
  • 倉庫作業をルーティン化し、ミスを防止

4. リードタイムの「見える化」

まずは、「どの工程で何時間・何日かかっているのか」を正確に把握することが、改善の第一歩です。

エクセルでの簡単な記録から、システムでの自動集計まで、時間の可視化がムダや遅れの発見につながります。

たとえば:

  • 「発注から入荷まで平均5.8日」と分かれば、交渉や仕入先の見直しが検討しやすい
  • 「注文処理に平均2時間かかっている」と気づけば、自動化や作業分担を検討できる

小さな短縮が、大きな改善につながる

リードタイムの改善は、一気にすべてを変える必要はありません。

1工程でも、1時間でも早くできれば、それが積み重なって全体のスピードアップにつながります。

最初は手間に感じるかもしれませんが、整った仕組みがあれば、日々の業務は確実にラクに、そして正確に進められるようになります。

まとめ:リードタイムは、“改善できるコスト”

リードタイムは、ただの時間の差ではなく、お客様の満足度、売上、そして現場の負担に直結する重要な業務指標です。

  • 「在庫切れが多い」
  • 「出荷が間に合わない」
  • 「レビューで“届くのが遅い”と言われる」

こんな課題の多くは、リードタイムのどこかに改善の余地があるサインです。

リードタイムは、見える化し、仕組みを整えれば、少しずつでも確実に短くできます。

商品管理、在庫連携、受注処理、出荷業務——

もしそれぞれの工程がバラバラに管理されているなら、一元管理できるシステムの導入も一つの選択肢です。

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